いただきましたｖ ２

「speziell」のyummyさんからいただきましたーｖ
もとい、佐藤寿也公式サイトプレゼント企画で
佐藤寿也さんご本人からいただきました（笑）
しかも、茂野吾郎さんが撮影したんだそうですよ！！

素敵なSSがついていて、なおビックリ。
yummyさんのハジメテをいただきましたｖ（むふ）
ココの書式だと、一行の文字数の関係やらなにやらで 
yummyさんのテイストを正確に再現できなかったのが唯一の心残り。
ごめんね～～～！ 文字の大きさと改行を少し変更させていただき
ました（涙）　そんでまた、絵のサイズがどうしても変えられなくて（涙）
あと背景も黒にしたかった～～！
ブログからHPへと変わった暁にはぜひ・・・！
（って、いつになるんだろう・涙） 

（画像クリックで拡大します）

空港を出たその足で行きたいところがあった。
キシキシ音がする四駆のステアリングを右に切り、
ハイウェーに入ってしまえば街までしばらく単調なドライブだ。
さっきまで右側のシートに座っていた人物は今頃空の上の
もっと快適なシートに座って日本に向かっているだろう。

「なんだ、これ」
寿也のカバンからはみ出していた雑誌はかつて所属していた
野球部の部室によく置いてあった。男性向けグラビア誌ではなく、
大きくプロ野球界のルーキー達、と書かれたスポーツの雑誌。
「飛行機の中は暇かな、と思ってさ」
そういって寿也はちょっと恥ずかしそうに笑い、
コーヒーを入れるためにキッチンへ向かった。
自分を見せるというより、日本の情報に疎い俺に他の奴らの活躍を
見せたかったんだろう。パラパラめくると知った顔が何人か載っていたの
だが、寿也の扱いは段違いだった。写真の大きさや数だけでなく、
ライターが書いた文のところどころにも人気と期待の大きさが表れている。
さすがだな、寿。
知らないうちに頬が緩んでいた。

プロのカメラマンが撮影した寿也の写真は大部分が試合中のもので、
カメラを意識して撮ったものではなかった。
フォーム少し変えたのか？などと思いつつページをめくると、
どこかの店内で撮ったと思われる私服姿の寿也がいた。
俺はその写真をみて愕然とする。
こんな表情するのは俺の前だけだと思ってた。
それって自惚れだったのか？
いや、寿也は簡単に人に心を許したりしないはずだ。
その場限りのインタビュアーやカメラマンの前でこんな顔するわけがない。

「なんか僕じゃないみたいだよね」
ふと気付くと二つカップを持った寿也が立っていた。
はい、と芳しい香りのカップを手渡され、俺の横に腰を下ろす。
「こういうのっていろんな話しながら写真撮るんだけど、
このときは吾郎くんが活躍した話題が出てね。
どうもその話の最中に撮られた写真みたい」

…なーるほど。
恐らく寿也のことだからすぐ表向きの顔に戻したはずだ。
でもさすがプロカメラマン。ずっとチャンスを狙っていたに違いない。
他の奴に見られた、そんなことで悔しくなるのは惚れた弱みなんだろうか。

「そうそう、写真って言えば僕のＨＰで写真のプレゼント企画があってね。
誰かに写真を撮ってもらってきて、ってカメラ渡されたんだけど、
せっかくだから吾郎くん撮ってよ」

お安い御用だ、俺の方が何倍もいい顔撮るチャンスがあるんだからな、と
二つ返事でＯＫしたものの。
時間が経ち、じわじわ浮かんでくる写真は想像していたものとは
全く違う代物で、いい表情を撮るどころかピントすら怪しい。
「モデルはいいはずなんだけどね…」と笑う寿也をまた撮って。またダメで。
結局一パック使い切っても納得のいく写真は撮れなかった。
なんだ、この敗北感は。

「吾郎くんに撮ってもらった写真、ちゃんとプレゼントに使わせてもらうから」
そう言って搭乗口で手を振る寿也を見送って１時間が過ぎようとしていた。

目的の場所に車を止め、静かにエンジンを切る。
記憶の中に寿也がいればそれでいいと思っていた。
それをカタチにするなんて思いもつかなかった。

「まずはカメラ、だよな」
俺は勢いよくその店の扉を開けた。


fin.


                     
yummyさん、ありがとうございましたーｖ
（yummyさんの素敵サイト「speziell」へはこちらから）